Mr-Ojii版L-SMASH Works r1085以降 動画読み込み処理が重い
こちらで香良洲身氏に検証していただいたように、「r1085以降動画読み込み処理が重くなる」事象について、私の見解を記述します。 対処法
1. 別バージョンのL-SMASH WorksからMr-Ojii版L-SMASH Works r1085以降に更新する際には、設定を引き継ぐためにlsmash.iniをlwinput.auiと同じディレクトリに移動させてください
2. lsmash.iniをlwinput.auiと同じディレクトリに移動させても直らなかった場合、lsmash.iniを削除し、Libav+L-SMASHを無効化してください
考えられる原因
「lsmash.ini(L-SMASH Worksの設定を保存するファイル)の作成/読み取りを、『親ソフトウェア(aviutl.exeやInputPipeMain.exe)と同じディレクトリ』から『lwinput.auiと同じディレクトリ』に変更」
というものです。
これは、
AviUtlをプロジェクトファイルの拡張子の関連付けから開いた際、正常にL-SMASH Worksの設定ファイルを読み込めない
InputPipePluginの使用・不使用を切り替えた場合、L-SMASH Worksの設定ファイルを正常に読み込めない場合がある
という問題を解消するために行った変更です。
この変更により、
「Mr-Ojii版L-SMASH Works r1085以降以外(POPn氏ビルドなど)」のlwinput.auiをpluginsディレクトリに配置した状態で運用していた場合
親ソフトウェアと同じディレクトリのlsmash.iniが読み込まれる
「Mr-Ojii版L-SMASH Works r1085以降」のlwinput.auiをpluginsディレクトリに配置した状態で運用している場合
親ソフトウェアと同じディレクトリのlsmash.iniは読み込まれず、pluginsディレクトリ内のlsmash.iniが読み込まれる
という挙動となります。
よって、plugins内で、
「Mr-Ojii版L-SMASH Works r1085以降」を用いる
それ以外を用いる
で読み込まれる設定ファイルが変わってしまう可能性があります。
よって、適用される設定が変わることによって、読み込み処理の速度が変わってしまう可能性があります。
今回の場合、もともとは「Libav+L-SMASH」が無効になっていたが、L-SMASH Worksの更新により設定ファイルの読み込みが行われず、「Libav+L-SMASH」が有効となり、重くなったと感じたと考えられます。(検証より)
検証
(読み込み時間はMr-Ojiiがシステムの時計を目視で測ったものであるため、完全に正確とは言えないです)
使用する動画ファイル(MediaInfoの情報より、ある程度抜粋)
サイズ:1.78GB
長さ:1h57m
形式:MPEG-4
映像形式:AVC
解像度:1280x720
ビットレート:2000Kbps (CBR)
フレームレート:30000/1001fps (CFR)
音声形式:AAC-LC
ビットレート:160Kbps (CBR)
サンプリングレート:44100Hz
チャンネル:2ch
使用するAviUtlの環境
AviUtl 1.10
使用するL-SMASH Works
POPn氏ビルドのL-SMASH Works r940 release1 (以降①と表記)
こちらのL-SMASH-Works_rev1098_Mr-Ojii_Mr-Ojii_AviUtl.zip (以降②と表記) ※最低限の環境で、動作検証を行うため、拡張編集・InputPipePluginは使用しません。
事前情報
①と②のlwinput.auiを用いた場合、最小構成環境に検証用動画ファイルを読み込ませた際(メインウィンドウにD&D)の読み込み時間は以下の通りとなりました。
table:読み込み時間
Libav+L-SMASH有効時 Libav+L-SMASH無効時(初回) Libav+L-SMASH無効時(lwi生成後)
① 26秒 7秒 3秒
② 27秒 6秒 2秒
検証手順
1. aviutl110.zipを解凍し、aviutl.exe,aviutl.txtをaviutl110ディレクトリ内に配置
2. aviutl110ディレクトリ内にpluginsディレクトリを作成
3. pluginsディレクトリ内に①のlwinput.auiを配置
4. aviutl.exeを起動し、L-SMASH Works File Readerの設定より、Libav+L-SMASHを無効化、OKを押し、aviutl.exeを閉じる
5. aviutl.exeを起動し、検証用動画ファイルをD&D
6. aviutl.exeを閉じ、先ほど生成されたlwiファイルを削除する
7. pluginsディレクトリ内のlwinput.auiを②のものに差し替える
8. aviutl.exeを起動し、検証用動画ファイルをD&D
検証結果
手順5での読み込み結果
lwiファイルが生成された
読み込み時間:7秒
手順8での読み込み結果
lwiファイルが生成されない
読み込み時間:27秒
POPn氏ビルドのL-SMASH Works r940 release1から、Mr-Ojii版L-SMASH Works r1098に更新した際に、動画読み込みが遅くなる現象が再現できました。
別設定が適用されてしまっていることは、「L-SMASH Works File Readerの設定」を見ると、わかりやすいと思われます。
上記手順の5時点での「L-SMASH Works File Readerの設定」
https://scrapbox.io/files/63078e39fd54d4001ddab605.png
上記手順の8時点での「L-SMASH Works File Readerの設定」
https://scrapbox.io/files/63078e5d0c5c3500234da0e2.png
lwinput.auiを差し替えただけですが、Libav+L-SMASHの設定が有効に戻っていることがわかります。
コメント
「L-SMASH Works L-SMASH不要説」が濃厚になってきて、困ります。